カンタウトーラス、情報募集中!
2007-04-30 Mon 01:03

Cantautoras……Magali Luque(写真左)、Daniella Saettone(中央)、Caroline Cruz(右)
【 CANTAUTORAS PERUANA 】

今回は特別だ。
CDがないのだ!
いや、レコードだってないよ。
テープもないってば !!

実はYouTubeでたまたま出会ったこのサウンド、びびびっときた!!
うわー!!うわー!!
次から次へと聴いてみても、予想をいい意味でどんどん裏切っていく。

●一番安定してるライブ映像。Macは何に使ってるのかな

●このリズムのとりかたがたまんない!

●かと思うとこんなのもやったりする

●これはちょっと重いかも。

ライターの栗本斉さんがLatina誌上で紹介されている「アルゼンチン新世代フォルクローレ」的サウンドに通じるといえばわかりやすいか。
音響派とも共鳴し合う新しいペルーサウンド
今までの若手がペルーのアイデンティティ音楽をやろうとしたときに、
引きずってきた「ある種の歯切れの悪さ」みたいなものがカケラもない。

う~んCD欲しい、断固欲しい、全部欲しい、と思って探してみると、見当たらない。
私は不勉強で知らないが、決して無名じゃないみたいなのに。
公式ブログも昨年より停止している。※1

CD出てないの?
活動してないの?
ファンクラブ作ってもよいくらいグッとくるのに!!
欲しいよ~!!
※2

【注】
※1
●CANTAUTORAS PERUANA公式サイトはこちらから。

※2
ということで感想・情報を募集しています。



CANTAUTORAS PERUANA Magali、Daniella、Caroline
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雑食獣マルディータ・ハケカ現る
2007-04-22 Sun 23:16

【Maldita Jakeca / el ENCHOLADO】(2006)

カルカスのトリビュートアルバムはちょっとした衝撃だった。
なぜって、70年代に名盤を発表したプログレのWARAはともかく、日本に輸入されたいくつかのボリビア製ロックはいろんな意味でダサくてヘナチョコだったからだ。

たんにへたくそなモノマネだったり、逆にちょっと頑張り過ぎだったり、空回りだったり。
オリジナルになろうとして、さしてウマくもないロックとフォルクをあわせようとしたりするんだけど、「無理矢理」を感じちゃうのだ。

強いて言えばこんな感じか。
ドクダミの草の上にサクラの木を接ぎ木しようとしたり。
ご飯の上にチョコレートかけてみたり。
シュークリームの中にひげ剃りクリーム入れてみたり。
パンツの中に覚せい剤いれてみたり。
ラーメンの中にゴキブリ……ん?
ん~とにかく!

90年代のレポートにおいても、ボリビア製ロックが普及しにくい社会構造が報告されるのみで、取り上げられるのはウチュパミキ・ゴンサレスといったペルーのアーティスト、輸入されるのはロック先進国チリ、アルゼンチンのものだけだった。※1

当時顕著だったフォルクローレの行き詰まりも相まって、日本にいると、ボリビア音楽界の閉塞感ばかりが目立ったものだった。
ボリビア音楽界に未来はないな。とか、ボリビアもうダメ。みたいな感じだった。


そこに登場したこのアルバムは、そのような見識を一変させた。
独特の浮遊感漂うラ・マンサナ(LA MANZANA)の「LA SOLEDAD」や、スカとけだるいヴォーカルとのミスマッチがクセになるピオホ・ロコ(PIOJO LOCO)の「SIEMPRE HE DE ADORARTE」など、独自の個性・魅力に満ちた楽曲が続出。
こんな面白いバンドがあるとは思わなかったというのが正直な本音だ。
なんで誰も教えてくんないんだよ~!
ナイショにしようとしてたな!

もちろん多くの人たちを虜にしたカルカス叙情的なメロディがあればこそ、素晴らしい楽曲になったのかもしれない。

そんなトリビュートアルバムの中で最も何度も繰り返して聴いたのがマルディータ・ハケカ(Maldita Jakeca)の「IMILLITAY」だった。
3~4割近くもラップをフィチャー、サビではティンクのリズムに裏拍を効かせた軽快な演奏で猛烈にノれる。ものすごく面白いアレンジだ。
ただ、カルカスの「イミジタイ」という素材そのものの魅力が大きいので、たまたまこの一発のみの大当たりかな、なんて思っていた。

そこで入手できた彼らのアルバム。
一聴して大興奮!
ボリビアの名曲の数々をアレンジしたカバーアルバムだ。
彼らのオリジナル曲というわけではないから、それこそ実力のほどはわからないのだが※2、とにかく表現のベースにメタルラップが仲良く同居している時点でミクスチャー・ロックみたいで理屈抜きカッコよすぎ(笑)
他にも80年代ファンク/ディスコだったり、歌謡バラードだったりがごちゃ混ぜ状態なのだ。i Que 面白い !


"Rojo, Amarillo Y Verde "

「こうじゃなくちゃいけない」という無駄なこだわりが感じられず、彼らがカッコよく感じられるものなら何でもよいという雑食性のカタマリ。
それでいながらアルバムのカラーに統一感があるのはお見事というほかない。
素材となったボリビアの叙情的なメロディの魅力もあいまって、全く飽きがこない。
もう3週間近く毎日このアルバムで通勤している状態だ。

周辺各国の類似のバンドがよく使うスカやレゲトンなどのラテン要素※3が欠けているのは不思議といえば不思議。しかし、少なくとも彼らの雑食性(ミクスチュア・スタイル)が周辺国のオルタナティヴ・ロックやラップ・ロックの流れと連動していることは間違いない。

最近の「表現手段は何でもあり」的なアルゼンチン音楽パワーが周辺諸国の商業音楽へ与えている影響も少なくないだろう。

確かにグローバリゼーションの進行がもたらす音楽界の問題は、非常に深刻だ。しかし一方で、「コピーか、しからずんばオリジナルか」なんて肩に力のはいった自識過剰な煩悶とか、ある種の閉塞感とかが一国の音楽界から掃討されていく状況は、やはり見ていて気持ちがよい。

「他国の影響」というものが、すでに完成した誰かの「(テクニックや演奏方法、形態など)スタイル」の単なるコピーに過ぎないのだったら「くだらん」で終わりだ。
しかし、今回のこうした動きは、そんな表面的なものではなく、「(表現するためには)何でもあり」という「音楽に向き合う姿勢」のコピーなのだ。だから、我々は興奮するのだろう。

「テクや奏法、形態に関するスタイル」のコピーは、同じものを生み出そうとするだけの「劣化」にすぎないけど、「何でもありの姿勢」をまねた場合は、テクや奏法を一から自分の感性で構築しなきゃならないからね。その度に「新しい音楽」が生まれるのだ。

本人の生活や感性に合わせた音楽を作る分、すごく自然なんだよね。

【注】
※1 
ウチュパはペルーのブルーズロック。ヴォーカルはケチュア語で歌われる。ミキ・ゴンサレスは同じくペルーのロックアーティスト。コカ問題やストレートチルドレンをテーマにした社会派で知られる。

※2 
いやあ、いい時代になりましたな。YouTubeで検索してプロモを見ればいいわけです。どれどれ、オリジナル曲は……つ…つまらん。まあ、1曲で判断しないでしばらく気長に追っかけます。

※3 
スカ(Ska)は2・4拍目に強い裏拍を置くジャマイカで完成された音楽。ニューオリンズジャズなどの影響を受けて50~60年頃完成したといわれてる。
レゲトン(Reggaeton)はプエルトリコでレゲエとヒップホップが融合し、それにプエルトリコのボンバやプレーナが混合してできた音楽。80~90年代に完成されたが、05年にニューヨークでブレイクした。


【アルバム・データ】
<CD>
"Maldita Jakeca / el ENCHOLADO" (2006)
cd-pa-p-0021 DL 4-4-141-006 PRO AUDIO (Bolivia)
1. Hasta Las Patas
2 . El Regreso
3. Imillitay
4. La Jakeca
5. Rosa Carmin
6. Tanto Te Ame
7. No Le Digas
8. Coplas Para La Pascua I
9. Libertad
10. Rojo, Amarillo Y Verde
11. Patito
12. Coplas Para La Pascua II

●まだまだ本国では売れてるようだから入手できると思うが、もしオンラインショップに在庫がない様子なら注文をかけてみてはいかがだろう。すぐ入手できるはずだ。
●公式HPで試聴ができる模様。
 http://malditajakeca.3a2.com/
●実はM-11,12は隠しトラックなのだが、この11を聴いてみて損はない。アウトクトナのリミックスでここまで的を得たアレンジがかつて存在したであろうか!!


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