進化し続けるエルネスト・カブール
2007-12-28 Fri 14:51

【 ERNESTO CAVOUR / CHARANGO 】(2002)

エルネスト・カブール、21世紀に入っての作品。

「また最近の作品かよ。ここの管理人は60・70年代の名盤に恨みでもあるのか」
などという声が聞こえそうだが、まあ、聴いてみたまえ。

マエストロだか、天才だか何だか知らないけど、
カブールのアルバムって、どれもこれも同じじゃんというあなた。
カブールの「おっさん唱法」がイヤというお嬢さん。

新鮮だよ。

(1)ヴォーカルは女性を採用。
ガシャガシャとかき鳴らされるカブールのチャランゴの上に美しく伸びる、
ロシオ・デル・カルメンとカントゥータのヴォーカル。
両者が際立っていて大層気持ちがよい。

(2)パーカッションも大活躍。
今までのアレンジや録音では、ボンボは後ろにまわり、チャランゴが前面でリズムを切るというイメージが強かったが、今回はそうとは限らない。いくつかの曲ではパーカッションが全面的にフロントをつとめて大活躍。アルバム全体がびしっと引き締まるね! ちなみに、「クールだぜ!」などとスピードチューンを聴き入っていると、パーカスに関する「オチ」があったりしてうれしい。

(3)「アーティストたちのクエッカ」最新ヴァージョン収録 !!
カブールが認めたボリビアのアーティストたちが歌に織り込まれるこのナンバー。
70年代から続々アーティストたちが追加されてきたのだが、
今回、天才のお墨付きアーティストに認定されたのは誰 ?!
聴いてみてのお楽しみ!


何て新鮮で、充実して、最後まで飽きのこないアルバムなのだ!


仮にこのアルバムの国内盤を発売することになったと思いねえ。
あなたはレコード会社の社員だ。さて、どういう邦題をつけるよ。

原題"CHARANGO / Ernesto Cvour "
邦題『チャランゴ/エルネスト・カブール』

こいつクビ。
オレがレコード会社の社員だったら、こうつけるね!

邦題『鬼に金棒 / エルネスト・カブール』

いんや、ふざけちゃいない。
マジだ。
まあ、ファンからは総スカン、上司からはオホーツクへの辞令をいただくことになるか。

そもそも、カブールといえば、ネオ・フォルクローレというジャンルの道を拓いたお方。
もはや古典となった「緑の大木」などの数々のナンバーは、今流行の最先端にいるつもりの若手連中の曲と比較してみりゃ、一目瞭然。カブールの方が遥かにアグレッシヴ。
そのネオ・フォルクローレのスタイルを多くのアーティストがみな選択したのだから、本人は流行に流される必要もない。もーひたすらマイウェイを突き進んで、あのものすごいオレ節を奏でて頂ければいいだけなのである、本当に。

鬼才なのである。

素手でも恐ろしい鬼なのだ。
ところがこのアルバムでは、最強をうたわれた鬼がさらに金棒を手にした!
自らの力を倍増させる金棒…パーカスだの女性ヴォーカルだのを新たに手に入れ、見事使いこなしてしまったのだ !!
カブールよ、まだ、満足しないのか! 鬼だ!




ぎゃー! ※1.2

【注】
※1
打ちのめされた声。

※2
フォントの使用方法から、デザインの「いろは」、紙や印刷のクオリティに至るまでパッケージングのできがひどすぎ。録音による商業音楽は総合芸術だから、ジャケットなども大事な要素。日本で07年に制作された最新作のようなジャケットだったら、と思うと悔やまれてならない。


【アルバム・データ】
< CD >
" ERNESTO CAVOUR / CHARANGO "(2002)
(GERMANY)CD68953

01. DE LA LLAMA AL VOLANTE (carnaval)
02. K'URUKUTA (huayn~o)
03. DE CHICALOMA A RUSIA (Folklore Boliviano)
04. LA LEN~ERA (huay~o)
05. EL PALO DE ESCOBA QUE QUERIA SER CABALLO (motivo)
06. CARNAVALEANDO (carnavalito)
07. PENA INDIA (taquirari)
08. K'ALAMPEADO (rasgueo melodico)
09. LA DESCONOCIDA (cueca)
10. TERNURA (bajon)
11. PILCOMAYU (bailecito)
12. BAILAREMOS (takillagua)
13. GALLITO CAMPESINO (huayn~o)
14. TIEMPOS LEJANOS (kaluyo)
15. CUECA LARGA (cueca destrozada)
16. AN~ASIN~ANI (morenada)
17. IMPROVISACIONES

●調べてみると、インディーズレーベルということもあって、実はなかなか入手が難しいアルバムのようだ。幸いなことにDISCO ANDINOの西田さんが取り扱っておられるので、まだお持ちでない方は、在庫がなくなる前に購入されることをお勧め!


別窓 | ERNESTO CAVOUR | コメント:6 | トラックバック:0 |
| これを聴け! |