発表するべき時代と場所…ディアマンテス
2010-07-05 Mon 00:13

【コラム】発表するべき時代と場所

チャブーカ・グランダも紹介せずにいきなりかよ」
「せめてスサーナ・バカの名盤くらいやれ」
エバ・アイジョンもやってないのに、エバ・アイジョンの名前を出すか」

●21世紀の新しいムシカ・ネグラ
そう。本来なら既に紹介してしかるべき数々のプラチナ・アイテムをすっ飛ばして、いきなりその破壊者を5、6月と連続で紹介してしまった。ノーバリマラディオ・キハーダともに、今までペルー音楽を知らなかった世界中のオーディエンスの間で「新しい音楽」としてウケているようなのだ。

アルバムデビューに関しては、ノーバリマの方が2003年と早かったようだ。しかし、このときにはラディオ・キハーダも既にスサーナ・バカのバックバンドと組んでレコーディングを行っているあたり、どっちが早かったということでもなく、自然に新しい潮流が発生した、ということらしい。確かにこれらのジャンルの牽引者ともいわれるミキ・ゴンサレスも実はムシカ・ネグラとエレクトロニカに突入するのは21世紀に入ってからだ。

ところで。

ノーバリマ、ラディオ・キハーダをマスコミやネットに紹介したライター諸兄、彼らを喝采で迎えた方々。
1997年に沖縄のディアマンテスがリリースした5thアルバム『ライセス』(マーキュリーミュージックエンターテインメントPHCL- 5063)を聴いてみて。

●90年代に新しいムシカ・ネグラ……?
このアルバム、オルタナティヴ・ラテンとでもいうべき世界を構築しきった見事な完成度のアルバムなのだが、そのうち何曲かはペルーのムシカ・クリオージャをベースにしている。
重厚なロック的表現でリズム・形式ともに
マリネラをプレイしきる奇跡的な名曲「Gloria」、イントロにフェステホのリズムを導入したラテンロック「Latido Salvaje」、ラストの曲は何と「Todos Vuelven」のカバー。

驚くべきことにディアマンテスは、このアルバムで早くもアフロ・ペルアーノ音楽のエレクトロ・ダブに挑戦しているのだ。作者のアルベルト自らカホン、キハーダ、ギター、そしてヴォーカルをとる「Y Tomando Cafe」。電気グルーヴのミックスなどで知られる上原キコウをエンジニアに招聘し、見事なまでのエレクトロ・アフロ・ペルアーノの大傑作になっているのだ。こんなの聴いた日にゃ、ノーバリマも裸足で逃げ出すぜ。

そのスゴさと言ったら半端じゃない。後半の盛り上がり方は、フェステホなんて全く踊れない私も興奮しまくり。興奮って言ったって限度を超えれば、呆然と立ち尽くしちゃうしかないという問題作だ(この曲はiTunes Storeのココで試聴が出来る)。



こんなスゴい名盤があるのに、その評判をほとんど聞かない……。
発表する時代と場所を間違えるとこうなるのね……。

【注】
※今じゃ、ペルー・エレクトロニカの大家みたいなミキも「アクンドゥン」で知られているように、90年代はロック・ミュージシャンなのだ。


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