半端の美…ティエンポ・イ・ディスタンシア
2005-11-05 Sat 01:32

【Tiempo y Distancia / "SENCILLEZ Y ESTILO"】(1991)



「中途半端はいけませんっ」て叱られたことはあるだろうか。
「おめえは本当に何をやるにもハンパだなあ」っていわれた人はいるだろうか。
「ハンパ」という評価におびえる諸君。
もう君たちはびくびくしなくっていい。
ハンパものよ、誇りを持て。

たまたま愛車がドック入り※1で、代車に乗っているのだが、オーディオがカセットなもんだから、久しぶりに学生時代につくったカセットをごそごそ適当に引っ張り出してきたわけだ。
早速懐かしさに浸りながらティエンポ・イ・ディスタンシアの唯一のアルバム「SENCILLEZ Y ESTILO」を聴いてみた。※2

感想は、一言でいえば「ハンパ」なのだ。

パーカッショニストのエルナン・ポンセが結成した、という割には、このアルバム、パーカッションのイメージは全くない
というか、パーカッションが完全に脇に回っているのは、決して録音バランスの問題だけではないだろう。
むしろ、彼の弟カルロス・ポンセのサンポーニャとケーナの美しさをたっぷりと聴かせることに主眼がおかれてる感じ……。

フェルヒメのきれいなサウンドによく似たカルポンのサンポーニャ・ケーナといい、こぢんまりとまとまったエルポンのボンゴ(レキント?)といい、いかにも土臭さを排したフシオン路線

ところが、そんなキレイ系サウンドの割には、現在のフシオン系に比べると楽曲がいかにもフォルクなのだよ。サウンドだけは洗練されているんだけど、楽曲の感じはなんとも懐かしかったりするのだ。
「アルフォンシーナと海」なんか入っちゃってるし。
いかにもハンパだ。

しかし、これでいいのだ!バカボンのパパなのだ。
これ以前のグループにはない、そしてフシオン路線が完成してしまった現在のグループにもない(今にして思うと)「一瞬の輝き」がある。
ハンパには「色気」があるのだ。
かの手塚治虫大先生もいっておられる。
「ぼくぁね、A→Bへと変わるAでもないBでもない状態に限りない色気を感じるんだな※3

ことにB面の08「HUAJCHA MINERO」と09「AGUILA REAL」 なんか泣けるよ。
「日本人に生まれて良かった」と思うこと必至。
いや、ボリビアの曲なんだけどね。

この2曲を聴くためだけにこのアルバムを買うというのもアリなくらい、いい。
単純で。それでいて繊細。

名盤といえるかはわからないけど、不思議な魅力の一枚でした。※4


【注】
※1 
ジムニーのオイル漏れ、1年前にディーラーに持っていったら、関係ないところをいじられて、結局直らなかった。
しばらくしてから、量販用品店でオイルが漏れていると指摘され、またディーラーに持っていったら、
「なぜ、そこで直さない。特に問題があるようには見えない」
頭に来て忙しさにかまけ、放っておいたら、漏れがひどくなっちゃった。
慌てて持ち込んだら、オイル漏れはともかく、でかすぎるタイヤが入ってるので入れ替えてこないとエンジンの面倒をみれないと。
出直せと。
だめだ。ディーラーは!!
が~っ!!

あ、ティエンポ・イ・ディスタンシアには全然関係ないか。

※2 
このアルバムを出した後のこのコンフントの経緯をご存じの方。お教えくださると嬉しい。
※3
ここではアニメーションでメタモルフォーゼのシーンにこだわる理由として語られていたが、漫画であっても「バンパイヤ」にしろ「ブルンガ1世」にしろ、「なるほど」って感じですな。
※4
あ、そうそう、忘れるところだったが、ボーカルとしてなんとダンテ・ウスキアーノが参加している。
ところがワラのような癖のある声に聞こえないのはなぜ?
気のせいか?

【アルバム・データ】
<LP>
Tiempo y Distancia / "SENCILLEZ Y ESTILO"
SLPL-13711 (1991)
LYRA(BOLIVIA)
1 RAMA DE AMOR (Cueca)
2 A COCHABAMBA (Calnavalito)
3 ALFONCINA Y EL MAR (Samba)
4 LAGRIMAS (Taquirari)
5 CAMINO DE LA VIDA (Experimental)
6 PROMESAS FALSAS (Cueca)
7 CAN~AVERAL (Taquirari)
8 HUAJCHA MINERO (Huayn~o)
9 AGUILA REAL
10 FIESTA DE REYES (Tonada)
●まあ、当然CDは出てない。ごめん。



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-ティエンポ・イ・ディスタンシアその後-
ティエンポ・イ・ディスタンシアはここでコメントされているLP以来今まで他の作品は1つも出していませんが、僕も94年に初めてラパスに1年滞在したときに少しだけライブなどを手伝っています。その頃のメンバーはポンセ兄弟とギターのグスタボ・コルデーロ(ファン・カルロス・コルデーロの弟)。それから数年間活動は休止し1999年に再結成、結局その活動は2001年頃まで続きました。この最後のメンバー構成では、すっかりサンポーニャの巨匠級にまで成長したポンセ兄弟のカルロスがぬけており(コンサートではゲスト扱いで参加)変わりにその弟子のサンポーニャ奏者フェリックス君やチャランゴのサウル君(同名だが、名手サウル・カジェーハスの弟子)、加えて日本人の犬伏青畝(ギター、99年)、秋元広行(ギター&歌、00~01年)も参加しました。
2006-01-08 Sun 13:20 | URL | DAIJITO #y.wP8AhY[ 内容変更]
-こっこれは!-
畏れ多くもDAIJITOさんから直接ティエンポ・イ・ディスタンシアの情報をいただけるとは!あらためてネット時代の凄さを思い知らされます…。
そうですか、現状ではもう活動していないんですね。
それにしてもDAIJITOさんをはじめ、犬伏さんや秋元さんまで参加されているとは知りませんでした。
不勉強でサウル・カジェーハスの「弟子の」サウル君は存じませんし、そのころのティエンポ・イ・ディスタンシアも聴いてみたかったなあ…とおもうことしきりです。
貴重な情報、ありがとうございました!
2006-01-08 Sun 17:31 | URL | もち #k44oHjjU[ 内容変更]
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